アキレス腱断裂
① どのような外傷(ケガ)ですか?
アキレス腱とは、ふくらはぎとかかとをつないでいるスジの部分で、足首を足底側に伸ばす働きをしています。
アキレス腱断裂はふくらはぎが強く収縮することによって発生することがほとんどですが、直達外力(直接加わった外部からの力)や過伸展(伸ばしすぎ)による断裂もあります。
② どんな時におこりますか?
20代のスポーツ選手や40歳以上の人が急にスポーツをした場合に、踏み込み動作やジャンプの着地などで発生することが多く、断裂時に「バチッ」という音がすることもあります。
断裂していても、歩行や足首を動かすことはどうにか可能ですが、つま先立ちをすることはできません。皮膚の上から断裂した部分に腱の陥凹(へこみ)が見られたり、触れることができます。
断裂は一目瞭然のため、画像診断は必ずしも必要ではありませんが、超音波観察器などで断裂部分を確認できます。
③ 治療法は?
保存療法と手術療法があります。保存療法ではギプス固定を行った後、装具を使います。手術療法では腱縫合を行った後、ギプス固定や装具を使います。
再断裂率は手術1.7~2.8%、保存10.7~20.8%と、手術療法のほうが再断裂の危険が少なく、早期復帰が可能だとする意見が多く、スポーツ選手は多くの場合手術療法を選択します。
しかし、感染や皮膚の縫合不全などの合併症リスクがあるため、最近では保存療法にさまざまな工夫を取り入れ、早期復帰を可能にして、スポーツ選手にも適応を広げている施設もあります。
④ 応急処置と予防策
応急処置として皮下出血を軽減させるため、アイシングや足首の固定を行ったら、整骨院・接骨院、整形外科を受診しましょう。
予防法としては、スポーツ前にストレッチング、ウォーミングアップを十分に行うことです。