腱板損傷(けんばんそんしょう)

腱板損傷けんばんそんしょう

 

腕を上げると肩が痛い。
または痛みで腕が上がらない。
周りの方でもよく聞きませんか? 四十肩?五十肩?様子をみても治らない。
この様な訴えで受診される方によくみられるのが 腱板損傷(けんばんそんしょう)です。
肩の先端部分にあるスジのことを腱板けんばんといいます。

腱板けんばんを構成する筋肉は主に腕を横に上げる(外転運動)働きをします。
よって腱板けんばんが何らかの原因によって損傷を受けると、腕を上げる際に痛んだり、上げづらくなります。
また、完全に切れてしまった場合には腕を上げることができなくなります。

 

腱板損傷けんばんそんしょうの原因


重いものを持つ。転んで手を着く。
肩をぶつける。
ボールを投げる動作など。
過度に腱板けんばんに負担がかかった際や、繰り返しかかる負荷により損傷を起こします。
また、老化によって自然に痛んだり切れたりすることもあります。

 

腱板損傷けんばんそんしょうの症状


腕を上や横に上げた際に肩の外側が痛い。または腕が上がらない。

肩の先端を押すと痛みがある。

腕を後ろに回すと痛みが出る。

痛む側の肩を下にして寝ると痛い。

肩を回すとコキコキ音が鳴る。

投球動作やスポーツなどで肩に力が入ると痛い。

夜間寝ていると肩に痛みが出現する。

などが主な症状です。

腱板損傷けんばんそんしょうの検査


まず、各種の徒手検査にて判断します。
腱板けんばんはレントゲンを透過してしまうため、レントゲン検査では損傷の状態はわかりません。
よって、損傷した腱板けんばんの状態を確認するためには、MRIやエコーによる検査が必要になります。

腱板損傷けんばんそんしょうの治療


治療は、損傷の程度・年齢・職業などを考慮して行われます。

1.保存治療

物理療法:痛みに対して、また損傷の修復を助けるために電気治療や温熱治療を行います。

運動療法:マッサージ・ストレッチ・筋力強化にて組織の修復や機能を高めていきます。

固定:急性期や損傷がひどい場合は腱板を安静にするために三角巾で腕を吊ったり、包帯やギプスで固定することがあります。


2.手術

主に完全に腱板けんばんが切れてしまった場合に行います。 ただし、術後も数か月にわたるリハビリが必要です。また、老化などにより腱の変性がひどく、自然に擦り切れて断裂した場合には、縫い合わせても再び切れてしまうことがあるため、行えない場合もあります。