「足を痛がる」こどもの夜泣き
昼間は元気に遊んでいた子供が、夜になると、膝や脚全体を異常に痛がり泣きやまない。
しかし、翌朝になるとケロリと元気になる。
こんな経験をした親御さんは多いと思います。
昔は成長痛なとどといわれていましたが、骨の成長速度が関節等に負担がかかるほどの高速なわけではありません。
一日に5㎜・1㎝と成長するのであればあり得る話ですが、一日にそんなに骨が伸びたら、みんなウルトラマンのような身長になってしまいます。では、なぜこのような事が起きるのでしょう。
現在では『終糸緊張症候群』という病気が原因と考えられています。
脊髄(せきずい)神経は腰から下の方で急に細くヒモ状なります。
これが『終糸』と呼ばれる脊髄神経の最終部分で、脊髄神経を係留するように尾骨に付いています。
脊髄神経系の未発達があった場合に『終糸』が過緊張を起こし、脊髄神経を引っ張ってしまう事があります。
このストレスによって神経症状が発症します。
症状としては次のものがあります
① 夜間は痛むが、翌朝は元気になる
② 落ち着きがない
腰の辺りで『終糸』が緊張し脊髄神経を引っ張っているために、同一姿勢でいる事が辛く、常時体を動かす傾向があるので、そう見えるようです。
③ 体が硬い(体の前屈困難)
前屈をすると、神経の緊張が強くなるために前屈しづらいと思われます。
④ 夜尿症が治りにくい
膀胱を支配している神経は、腰の高さからでているため、神経の緊張のため影響を受けていると考えられます。
『終糸緊張症候群』を病気と書きましたが、ほとんどの場合は体の成長とともに治ってしまいます。
ですから病気というより発育が遅れていると考えたほうが良いかもしれません(希に思春期に悪化し手術が必要となるケースもあります)。
夜間に子供が痛がったら、親御さんが抱っこして痛む部分を擦りながら寝てあげると、痛みは軽くなります。
子供の精神的な不安やスキンシップに対する欲求不満は、痛みを増長させる事が多いようです。
特に『終糸緊張症候群』の子供たちはナイーブな心の持ち主が多いので、このような事が大きな効き目を発揮します。