不眠症
不眠症は正式には『睡眠障害』といい、日本人の約5人に1人は不眠で悩んでいるといわれています。
日に日に寒くなるこの季節は睡眠障害で悩んでいる方の相談も増えます。
東洋医学ではこの『睡眠障害』のことを『失眠(しつみん)』といい、次のように考えます。
まず、私たちが眠っている時は限りなく『意識』が無い状態になっています。
東洋医学では私達の体は肝(かん)・心(しん)・脾(ひ)・肺(はい)・腎(じん)の五臓によってコントロールされていますが、
『意識』はこの中で『心』が受け持っています。
このことを東洋医学では『心は神明(しんめい)を主る(つかさどる)』『心は心神(しんしん)を主る』と表現しておりますが、わかりやすくするためにひとつの例えを挙げてみます。
私たちの身体の中に『心』という家があって、その家の中には『心神』という小動物が住んでいます。
この『心神』は『心』という家の中で、血液からエサ(栄養)をもらって、血液を全身に流すポンプを動かす仕事をしており仕事量に差はあれど昼夜を問わず働き続けています。
この『心神』が働きやすくリラックスできる家(『心』)を作り、血液から充分な栄養をあげることで、昼は『意識』が明瞭で、夜は『安眠』することができるのです。
胃腸の働きが不十分で、食べた物からの血液生産が少なければ『心神』はエサをもらえない状態で働くことになり、おなかが空いているために昼はボーッとして、夜は眠れないなんてことが・・・
あるいは、心配事やストレスがあることによって『心神』が夜になってもリラックスできないために『安眠』することができなかったりします。
この『心神』は、とても働き者なのですが、デリケートな『心神』を飼っている人もいれば、知らず知らずのうちに『心神』を自らいじめてしまっている人もいらっしゃいます。
あなたの『心神』が元気で、働きやすくリラックスできる家を作るためのお手伝いを私たちはさせていただいております。
この『心神』の働きや、その家である『心』の環境が乱れている状態を幾つかのパターンでご説明していきましょう。
1.『心神』が充分なエサ(栄養)をもらえないケース(東洋医学では「心血虚(しんけっきょ)」といいます)。
『心神』の栄養となるものは食べたものから作られる血液か『腎』に蓄えられている『陰液』と呼ばれる物質のどちらかしかありません。
もう少し分類してみましょう・・・
①胃腸の働きが不十分で食べたものから血液の生産が少なく、『心神』は夜になってもおなかが空いて眠れない状態(専門的には「心脾両虚(しんぴりょうきょ)」といいます)。
この状態が長く続くと私たち自身の疲れが取れず、さらに血液の生産が落ち込み、それでも『心神』は無理やり働くため更に『失眠』が悪化してしまいます。
眠れない日が続くと食欲が落ちたり、胃腸の具合が悪くなる方に多いケースです。
②『腎』に蓄えられている『陰液』が様々な要因によって少なくなってしまい、『心神』のおなかが空いて眠れない状態(専門的には「心腎不交(しんじんふこう)」といいます)。
加齢による不眠や眠りに対する不安感が強い方に多いケースです。
2.『心神』が働き続けなくてはいけないケース(専門的には「胃中不和(いちゅうふわ)からくる痰火擾心(たんかじょうしん)」といいます)。
1の状態とは逆のケースで、飲食のタイミングや量が不適切で夜中になっても胃の中に飲食物が残っており、この消化を行う胃腸を動かすために『心神』が夜中にもポンプを一生懸命動かさなくてはならない状態です。
夜遅くまで接待をしたり、夜遅く食べる方に多いケースです。
3.『心神』が落ち着けないケース(専門的には「心火上炎(しんかじょうえん)」「心火旺(しんかおう)」といいます)
ストレスやイライラすることがあり、このために『心神』が夜になってもリラックスできず、安眠ができない状態です。
ストレスを感じることが多く、嫌なことがあると眠りに影響する方に多いケースです。
中央通り接骨院 では鍼とお灸の治療を用いて、それぞれの状態に応じた五臓の調整を行い、しっかり眠りにはいれるようにお手伝いを致します。
寝付きが悪い、眠りが浅い、夜中起きてしまうなど、
お悩みの方は是非一度ご相談下さい。