~子供の腰痛?~
日ごろ治療にあたっていると、多くの腰痛を訴える患者さんと接する機会があります。
腰痛は80%の人が一生に一度は経験するといわれています。
腰痛の原因は様々で、中には内臓の病気や菌の感染などが原因となる場合もありますが、一番多いのは筋肉やじん帯、背骨の椎間板などのいわゆる「運動器」が原因で起こる場合です。
なぜ多くの人が腰痛に悩まされるのでしょうか?
それは二本足で立っている人間の宿命なのです。
二本足で立つという事は垂直方向に多くのストレスがかかるようになります。
特に腰は上半身の重みを支えながら活動しているため多くの負担がかかり、その負担に耐え切れなくなった時に腰痛が起こるのです。
腰痛は加齢により引き起こされるものが多いのですが、中には小学校の高学年や中学生の腰痛も少なくありません。
子供の腰痛はスポーツが原因で起こるケースがほとんどですが、中でも一番多いのは 腰背筋痛 です。
これはスポーツをする事によって腰背筋に負担がかかり、組織が損傷し痛みを発生するものです。
この腰痛をもつ子供には特徴があります。
急激な身長の伸びに対し筋肉の成長が追いついてこない事や未完成な骨の脆弱性により身体のバランスが崩れています。
予防としては、過度のスポーツ活動を控えることと、運動前後のストレッチを念入りに行う事が大切です。
他の腰痛としては「脊椎分離症」があり、繰り返すスポーツ動作によって腰椎椎弓の関節突起間部に疲労骨折が起こります。
分離症は早期に発見し治療を開始すると治癒するケースも多くあるのでなるべく早く診察を受けることが大切です。
多くの腰痛は適切な運動をする事により予防できたり、改善する事ができます。
運動を効果的に行うには目的をよく理解し、毎日無理することなく継続する事が大切で、辛い痛みや慢性的な不快感は徐々に解消されます。