元気に過ごすために足腰を鍛える
年を取るにつれ、誰でも身体機能は衰えます。
例えば、筋力やバランス能力・歩行機能は60歳を過ぎると劇的に低下し始め、さらに65歳を超えても低下し続けることが分かっています。
これまでこの身体機能の衰えは、年だから仕方がないとされてきましたが、実はこれらの身体機能の衰えの多くは『廃用症候群』といって身体を使わないことで起こる現象であることがわかってきました。
「転ぶのが怖いから」「もう年だから」といって体を動かさないようにしていると、活動量の低下とともに、ますます身体機能が低下し、日常生活に必要な最低限の動きも満足にできなくなってしまうのです。
しかし、高齢になってからでも運動習慣を身につけ、足腰を強化することによって、加齢による筋力の低下を防ぎ、持久力や柔軟性・バランス能力も向上します。
足腰を鍛える運動習慣を身につけるのに「遅すぎる」ということはありません。まずは「年だからといってあきらめない」ことです。
最近では介護が必要とならないようにする『介護予防』が注目されています。
その背景には、ただ長生きするだけではなく、何歳になっても自分らしくイキイキと暮らしたいと考えるようになってきたからです。
自分らしくイキイキと暮らすための予防というと、脳卒中や心臓病などの生活習慣病の予防が思い浮かぶと思います。たとえば、ストレスをためない・コレステロール値を低く保つ・適度な運動を行うといったものですが、こうした生活習慣病の予防に気をつけるだけでは、元気に長生きできるとはいえないのです。
病気というよりは、年をとる事に伴って起こる足腰や頭の衰えといった、生活の不具合を予防することが大切なのです。
足腰を鍛えることに興味をもって、知識を吸収することは、頭も鍛えることにつながります。
また、足腰を鍛えることが頭の働きを良くすることもわかっています。
年をとってもウォーキング・ストレッチ等の運動習慣を身につけ、よりよい日常生活を送りましょう。
引用:家族みんなの介護予防運動マニュアル