やっかいな野球肘

やっかいな野球肘
~外側型野球肘=離断性骨軟骨炎~

 

大人でも子供でも、野球をやっていて肘が痛くなれば “野球肘” とよく言われます。
しかし、この中には成長期の野球少年たちが、放っておくと野球選手生命を脅かしてしまう『離断性骨軟骨炎』というやっかいな障害があります。

 

どんなものなの?


肘の関節は、上腕骨と尺骨しゃっこつ橈骨とうこつで作られています。
上腕骨の外側と橈骨とうこつとが関節を作っていて、投げるときに骨どうしがぶつかったり、こすれたりします。その力が繰り返されると、次第に上腕骨の下の部分が壊れていきます。 骨軟骨炎とよばれ “炎” という炎症をあらわす字を使っていますが、病態は骨の “壊死” でとてもやっかいなものです。放っておけばやがて骨が剥がれおちてしまいます。

 

症状は?


肘の外側の痛みや違和感です。
投球時はボールを放す時(リリース時)に痛むことが多いようです。
最初は症状も軽く、違和感程度から始まるので「大したことはない」と思いがちですが、進行すると腫れて肘の曲げ伸ばしができなくなってきます。
「気づいた頃にはもう遅い」ということになりかねません。
(右の写真参照)

 

治療は?


早期発見できれば、傷めた肘を使わずに安静にすることで修復されます。
しかし、骨の修復が始まるまでに約3ヵ月、修復されるには6ヵ月~1年かかり、長期間野球ができなくなるので、その間のフォローアップも大切な治療の一つです。
関節の炎症が強く、肘を動かすと痛む場合は包帯固定などで積極的に安静を図ります。

「おかしいな」と感じたらすぐに診察を受けることが治療の第一歩です。
接骨院・整骨院では上の写真のようにエコー観察で発見することができます。
早めに受診しましょう。